なぜ産前・産後の施術が必要なのか?

こんにちは。

皆さんは産前・産後の身体について、どんな印象を持っていますか?

・産前は各部が痛くても我慢するしかない

・出産には頭痛や腰痛は付き物

・出産後は骨盤矯正が必要なもの

・妊娠すると良くも悪くも体質に変化が現れる

・出産後の腰痛や尿もれは仕方がない

などといった印象を、当院にお越しの多くの方は語られます。

実際、出産後の影響はどうなのか?

 上で挙げたようなことは、実際に起こりやすいもの。何故かというと、出産時には産道を大きく確保するために骨盤(特に仙腸関節や恥骨結合部)が十分に緩むようなホルモンを放出するからです。このホルモンが、出産後しばらくしてからも正常な状態に戻らないでいると、当然骨盤の変形は進みやすくなります。結果として、緩い冠絶をサポートするために、その周囲の筋肉が過剰に働かざるを得ない状態となり、腰痛などの症状に繋がっていくのです。

 そのために出産後の骨盤ベルトで、外側から骨盤を物理的に固定することによって、出産時の外傷ストレスからの二次的な症状の予防を図っているわけです。

骨盤ベルトをすればパーフェクトなのか?

 これが難しい所で、一度離れてしまった恥骨結合部が、ベルトの力だけで正常ポジションに回帰するかというと・・・残念ながら、そう容易いものではないのです。

 皆さんの中にも骨折を体験された方もいると思いますが、骨折と出産時の恥骨結合部は同じような状態となっていることをご存知でしょうか?

 では、骨折した際は、どのように骨折部分を固定するでしょうか?

・手術によるボルト固定

・ギブスによる固定

といったものが主です。

もちろん両者ともに整復をして、元に近いポジションにした上で、しっかりと固定しています。そこまで行って初めて骨折への処置は完了となります。

では、恥骨結合部の離開はどうしてる?

 ここが一番のポイントですが、骨盤に対して結局は正しい整復をしているわけでもなく、身体に任せて癒合させています。

 しかも恥骨結合の場所も悪く、恥骨結合は歩行時などに左右が捻じられる方向に力が掛かるため、正確な位置を癒合するなど、事実上限りなく不可能と言っても過言ではありません。

 そういった歩行での捻じれに加え、人によって自然に生じている身体のアンバランスが、恥骨結合部に更に負荷を掛けてしまうことになるのです。

では、出産後はどのような施術を受けるべきなのか?

 まず大切なのは恥骨結合部が、どの方向にどの程度ズレているのかを、正確に診ることが出来る専門家に施術を願い出るべきです。

 また、その方の特有の身体の捻じれの原因を追求し、再び恥骨結合部にズレが生じにくくする様な施術が必要だと考えます。

 そうすることで、骨盤の捻じれは改善され、骨盤ベルトの効力も十分に生きてきて、腰痛や頭痛など種々の症状にも悩まされなくなってくると思われます。

2017年06月30日